Thanks text from ROLLING STONES "FOUR FLICKS" WARNER VISION JAPAN

鮎川誠(シーナ&ロケッツ)に電話インタビュー 鮎川誠が『フォー・フリックス』を熱く語る!!

cover それにしても寝不足が続いている。年の瀬でいつもより早い原稿締め切りだったり、番組の録りだめがあったり、イベントのMCをしたり、忘年会に参加したり、年賀状を作ったり。例年だと年末は多忙な中に観るはずの時代劇専門チャンネルの忠臣蔵に今年は全く目もくれず『フォー・フリックス』を何度も観まくっている。ライヴ映像であり、ストーンズの生の姿をも見せてくれるこんなにも凄い作品があっただろうかというくらいの逸品である。まるで夢を見ているようだ・・・。「ハイ、ここで新着のプロモーション・フィルムをご紹介します。窓側の方、カーテンを閉めてください、16ミリ映写機をまわします。曲は『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』!」今から35年前、Kレコード会議室での(といっても集まるのは毎回40〜50人くらいだった)のことを思うと、時代の変化をしみじみ感じてしまう。 そういえば『フォー・フリックス』にはPF(今でいうPV)「JJF」も挿入されている。

DVD『フォー・フリックス』、凄い人気だ。僕の周りのストーンズ・フリークもとりつかれたように観ていて、それこそみんな寝不足状態だという。正月休みの海外旅行や帰省を取りやめ、炬燵にもぐりこんでDVDと格闘するんだと宣言している兵達ばかりだ。
そんなストーンズ・フリークのひとり、僕の良き友人でもあるシーナ&ロケッツの鮎川誠さんに『フォー・フリックス』の魅力を熱く語ってもらった。

以下、12月15日の深夜、電話でインタビューした鮎川さんのお言葉だ。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++

DVD「フォー・フリックス」、何度も何度も楽しんでいる。何というか、恐ろしささえ感じさせる凄い出来映えだ。21世紀、DVD時代最初のストーンズ・ビッグ・キック。壮大な計画の中から誕生したこの作品の作り方が、リックス・ワールド・ツアーのシアター/アリーナ/スタジアムの3ヴァージョンからなる特質としっかりシンクロしているのは見事。ツアー開始前から裏方さんも含めてこれほどまでに綿密に録り続け、追い続けながら、こんなにも克明にいろいろ見ることが出来たのは初めてのこと。
スタッフとのディスカッションもリアルにどんどんと見せてしまう。そして、どんなシーンを見ていても最高。最高のバンドが最高のことをしているのだ。中でも、ライヴであの最高のバンドがしっかり研究しながらステージをこなしている姿に心打たれる。ステージ上、その場その場で音の重なり方とかどんどんといろんなことを作っていく、そのことがDVDから手に取るように分かる。

まず何といっても(Disc2)のニュー・ヨーク/マディソン・スクウェア・ガーデン!MSGといえば、ミック・テイラーを加えての新星ストーンズが改めて世界に羽ばたいた69年のツアーを思い出す。「Get Yer Ya-Yaユs Out」!
この時のストーンズは素晴らしかった、凄く良かった。でも、その69年のストーンズのカッコ良さを忘れさせ、今が最高だということをこのDVD/MSGで目の当たりに見せつけてくれる。現在のストーンズがこんなにも演奏が凄いということを知らしめるのだ。ミックは踊りまくる、チャーリーは力強くドラムを叩く、キースは手を抜いているようで細かい気配りがあって大変よろしい、もちろんロニーも頑張っている。そして、改めてミック・ジャガーがステージだけではなく全ての面で凄いリーダー・シップを発揮していることを再認識させられた。MSGには魔力がある、実に感慨深い。「ミッドナイト・ランブラー」!!

そして(Disc3)のロンドン/トゥイッケンハム・スタジアム。ホームタウンでの演奏には何か鬼気迫るものがあった。
故郷に帰って来て、世界ナンバー・ワン・バンドだけどイギリスの辛口ファンの前でも凄いところを見せるみたいなところがひしひし感じられる。伊達に世界をまわっているんじゃない、といわんばかりに地元でも気合の入った演奏ぶりなのだ。
特に「ブラウン・シュガー」「ユー・ガット・ミー・ロッキング」のあの気迫溢れるシーンには吃驚。「無情の世界」「黒くぬれ!」 も素晴らしいのだ。選曲も良い。ストーンズの現在の本来の姿であるビッグ・スタジアムでの演奏+地元公演、このふたつを掛け合わせて見るとより感慨深いものがある。

(Disc4)のパリ/オリンピア・シアター、このシーンからはステージング、選曲などから60年代のストーンズを彷彿とさせる。キースの「あなたのおそばに」、もうこれは別格、格調高い歌いっぷり、感動の一言に尽きる!  

ドキュメンタリー・ディスクもファンとしていろいろ楽しめる。中でもリハーサル・シーンの「ウォーリド・アバウト・ユー」は凄い、音もいいしネ。後半ではキースのギターが!!花火見るシーンも感動させられる。そして感動といえば、あの凄いバンドがツアー前にお互いに良い演奏をしようと励まし合うところには・・。僕も楽しんだ日本武道館ライヴ・シーンには改めてジーンと来るものがある。音楽通の彼らは武道館の歴史をもしっかり理解している。ストーンズの面々が空振りするほど素晴らしい演奏を武道館では見せてくれたのだ。トロント・ライヴでは楽屋シーンに注目、ストーンズがほかの出演者たちに威張らずとても優しくしている。良いネェー。
あと、(Disc1)のボーナス・トラック(THE BOOTLEGS)の中では「お前をはなさない」には涙させられた。
(Disc4)のボーナス映像(EXTRAS)に登場するソロモン・バークは面白く、彼のマントにはミック・ジャガーもびっくり。ソロモンをサポートしているのは彼の息子たちだ。

とにかくお世辞抜きに素晴らしいDVDである。ストーンズに対しては全ての面で恐れいっているけど、今回はそれ以上のことをやってくれた。シーナも「オー!イェー!!」、これで決まりだと俺の横でシャウトしている。DVDという新しいメディアをストーンズが自由にこなしている、凄いことだ。こんなにも近いところでストーンズを楽しんで良いものかと思ってしまう。とにかく全部楽しめる、リアルすぎる。本当のライヴを味わった直後のようにホットにホットにさせられてしまうのだ。

シーナ&ロケッツHP
http://rokkets.com/

cover BUY IT@ AMAZON

●Mike Koshitaniがウィークリーで様々な角度からストーンズ最新ニュースを  担当してます。Check it out!  
http://www.ishiwata.com/stonemagiccafe2/

Mike M.Koshitani 越谷政義(こしたに まさよし)
プロフィール
音楽評論家/DJ
  東京生まれ
中央大学出身
1966〜69年ローリング・ストーンズ・ファン・クラブ会長
70年代から音楽執筆活動に入る
ローリング・ストーンズ、及びメンバーのソロ・アルバムなどのライナーノーツを数多く手掛ける
73年1月ストーンズ・ライヴ初体険
以来全日本公演はもちろん海外でも何度となく彼らのコンサートを見聞、その数は150回近い
93年ロニー・ウッド来日公演の司会をロニー自身の依頼で務める
ストーンズのメンバーとも交流
ミュージック・ペンクラブ・ジャパン会員(事務局長)
  著書に「STONE COMPLETE」(双葉社) 「ストーンズそこが知りたい」(音楽之友社) 「ワークス・オブ・エルヴィス」(共同通信)
共著/監修に「キース・リチャーズ・ファイル」(シンコーミュージック)2003年12月20日発売!


Data provided by Sheena & The Rokkets.
All rights reserved. Free For personal use only.
Copyright and disclaimer (c) 2003 RokketWeb
Sheena & The Rokkets